食事介助の基本~嚥下について~

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こんにちはGentle山本です
介護の現場に立つうえでよく「3大介護」という言葉を耳にします。
そのうちの一つが今回のテーマ=食事介助です。

介護の現場に立つ方や
介護をやり始めたばかりの方は食事介助の際に
何に気を付けて行えばよいのか?

なかなかわからない事が多いと思います。
そうでなくとも介護の現場では
「正解はないから・人によって違うから」と
介護技術についてなかなか教えてもらえないまま
現場に立って困ってしまうケースが多いのではないでしょうか?

今回は私自身の忘備録としての意味を込めて
このブログに書き留めておきこれから介護をされる皆様や
復習のキッカケにご覧いただければ役に立つ内容になると
思います。

テーマは3つにまとめると

安全に、楽しく、その人らしく

嚥下の5期とは?

人間が食事をして食物を消化する際は
食べ物を咀嚼したり、飲み込んだり、食道を通って胃に到達するなど
いくつかの工程に分ける事が出来ます。

食事介助は介護職とご利用者様の2人の関係が発生します。
ご利用者様がより自然にお食事をしていただける様に
介護職が嚥下の5期についてよく理解しておく必要があります。

嚥下:人間が食物を食べる際の仕組み

嚥下に失敗するとご利用者様がむせこんだり、
誤嚥性肺炎になってしまったりと事故につながります。
ご利用者様の事をしっかりと観察し、介護職が嚥下の仕組みについて
しっかりと理解しておくことで安全に食事を進めていけるでしょう。

1.先行期・認知期

ご利用者様が見たり、香りを嗅いだり、温度を感じるなどして
食べ物を認知します。

ご利用者様にお料理の献立や見た目の特徴を
口頭で伝えたりします。弱視の方やご高齢でお料理を
目で見て確認できない方もいらっしゃいますので
介護士が様子を伝えていくと良いでしょう。

「温かいご飯にネギとお豆腐のお味噌汁。」
「赤々と美味しそうな焼き鮭」
「ひじきと大豆の煮物もご飯にあいますよね」
「ふわふわに焼いた卵焼き」

「とっても美味しそうですね~」

個人的にはお料理の感想などをお伝えして
これから一緒に美味しいお食事を楽しんでいきましょうね。
というご利用者様の気持ちを食事に向けることなども
積極的にしています。

ただしあくまで人それぞれの価値観がありますから
相手のニーズやその時の状況をよく理解していく必要がありますね。

ご利用者様が食べ物を認識して口の前に来た食べ物を
パクっと咥えて口の中に取り込むことを「捕食」と言います。

★道具の使い方も工夫が必要

介護の現場では様々な道具を使用して
食事介助を行います。

  • お箸・(自助具)
  • スプーン(先割れスプーンやラバーつき)
  • フォーク
  • お皿(深さの違うものやカーブのついているもの)
  • ハサミ

例)食べ物をスプーンですくって口にはこぶ際の注意点

スプーンの大きさはその方にあっている?
スプーンの深さはその方にあっている?
スプーンの上に食べ物を乗せすぎていない?
スプーンを口にどの方向からどんなスピードで運ぶ?

障害者の方の中には捕食が上手にできない方も
いらっしゃいます。ですからそういった場合は
介護士が捕食を手伝ってあげる事も大切です。

そうしないと、ご利用者様の口におかしなタイミングで
意図しない量の食べ物が入ってしまいます。

普通に考えても他人にイキナリ食べ物を
口の中に放り込まれたら驚いてしまいますよね
快適に、美味しく、安全に食べるためにも「捕食」について
介護士はよく理解しておき相手の状態や動きをよく観察して
上手に食事介助を行えるようにしましょう。

2.準備期

ここでは口に食べ物を運んで咀嚼をします。
咀嚼は立派な消化作業なのです。
食べ物を嚙み砕き、唾液と混ぜて化学変化を起こして
食塊となっていきます。

障害者の中には咀嚼が上手くできない方もいらっしゃいます。
介護士はそういった状況もよく理解して観察した上で
食事介助を行っていきます。

私たち自身もこの咀嚼の段階で
食べ物を味わい香りを楽しんでいますよね。
食を楽しむという意味でもこの時のご利用者様の
咀嚼の様子(顎の動き、表情など)をしっかりと
観察していきましょう。

3.口腔期

食べ物が口に入り、味や香りや食感、温度など様々な刺激が
脳に伝わります。そうする事で口腔内にある唾液腺より唾液が分泌されます。
食べ物が柔らかくなると同時に化学変化も起きていきます。

そうして口の中で食塊を生成していきます。
ここで作られた食塊は舌を使って咽頭へ送り込まれます。

4.咽頭期

食塊が奥舌へ到達すると軟口蓋(なんこうがい)が上がり
花への食物の逆流を防いでくれます。

この流れを、嚥下反射と言います。
この反射は口唇(こうしん)をしっかりと閉じていないと
出来ません。

食事介助の際はしっかりと嚥下を確認するポイントとして
口が閉じているか?をよく見ていきます。

5.食道期

嚥下反射が起こり
食道へ食べ物が運ばれると蠕動運動によって
自然に胃に到達します。

声掛けの重要性

私たちは食事をする際に自分の食べたいものを
食べたい分だけお箸やスプーンすくい
タイミングも自分の思った通りに行っていきます。

しかし障害者や高齢者が介助してもらって
食事をする場合はこのタイミングや食べたいものなど
食事のペースを自分で進める事が出来ません。

ですから介護職がご利用者様とコミニュケーションをとり
スムーズな食事介助をしていく必要があります。

相手のタイミングや様子をとにかく観察して
声掛けの工夫やよりそいが重要だと思います。

  • ハッキリとした声のトーン
  • 相手が不快にならない音量
  • 介護職がペースをつくる
  • (ただし相手の反応や様子を観察し調節する事)
  • ご利用者様の好みや気分も考慮する


姿勢と環境

また、ご利用者様自身の食事姿勢も
とても重要な要素です。

  • 座り方
  • 上半身の角度
  • 覚醒しているか?
  • 部屋の温度
  • TVの音量
  • まわりの音
  • となりに嫌な人がいない?

その方らしく、笑顔で食べる

そしてご利用者様は常に介護職の事を
よく見ています。

あるいは感じていると思います。

  • 怖い人かな?
    自分に関心をもっているのかな?
    楽しい人かな?
    許してくれる人かな?
    面白い人かな?
    まじめな人かな?

食事をする時に緊張感が高いと
美味しく楽しく食事どころではありません。
出来れば楽しい時間でありたいと思うものです。

ご利用者様と笑顔でいられるように心がけた
楽しい食事の時間にしていきましょう。

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